おとむらいのときに必要な知識や、ご挨拶例文、葬儀後の諸手続きについて
説明いたします。
葬式の種類
現在、日本では主に下記の三つの葬儀が行われています。代表的な葬儀の方法について説明します。
仏式葬儀
葬儀・告別式は故人の成仏を祈る大切な儀式で、葬儀は近親者が営み生前かかわりの深かった人が参列します。これに対し告別式は生前故人とおつきあいのあった人が成仏した故人と最後の別れをする儀式です。かつては区別して行われていましたが、現在では多くの場合区別せずに近親者が焼香したあと引き続いて告別式に移り会葬者が焼香して終了します。
※各宗派の宗祖と礼拝仏及び経典
宗派 |
宗祖 |
礼 拝 仏 |
経 典 |
浄土宗 |
法然 |
阿弥陀仏 |
浄土三部経(無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経) |
浄土真宗 |
親鸞 |
阿弥陀如来 |
浄土三部経(無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経) |
天台宗 |
最澄 |
薬師如来・阿弥陀如来など |
法華経・阿弥陀経など |
真言宗 |
空海 |
大日如来 |
大日経・金剛頂経 |
曹洞宗 |
道元 |
釈迦如来 |
金剛般若経・法華経など |
臨済宗 |
栄西 |
釈迦如来・大日如来など |
金剛般若経・法華経など |
日蓮宗 |
日蓮 |
大曼荼羅 |
法華経 |
※臨終後に行うこと
■家族・親族への連絡と関連事項
●ご臨終を告げられたらただちに家族親族に連絡し、納棺に立ち会っていただく近親者に日時を連絡します。 |
●自宅で亡くなられた場合、直ちに医師に連絡し死亡診断書の作成を依頼します。 |
■末期の水
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●死亡後、家族や近親者は故人の口もとに水をうるおします。死後の世界で飢えや乾きに苦しまないようにおこないます。 |
■葬儀社との打ち合わせ
●喪主を決め遺族の代表として葬儀を行いたい故人に代わって弔問を受けます。故人に一番近い縁者がつとめます。 |
●宗派や家紋などを確認し通夜・葬儀の日時を決めます。 |
●葬儀の予算と規模を決め会葬者の人数を把握します。 |
●受付記帳係・会計係・案内係などの世話係を決めます。 |
●埋葬当日の精進落とし・お骨上げ・初七日を決めます。 |
■ご寺院関係・依頼と打ち合わせ事項
●ご臨終を告げられたら寺院へ連絡します。 |
●通夜・葬儀の日時と寺院の人数の打ち合わせと初七日法要の日時を決めます。 |
■その他の準備と手配
●近親者・勤務先・友人・知人に通夜・葬儀の連絡をします。 |
●近所に挨拶します。 |
●死亡届を役所へ提出し火葬(埋葬)許可証をもらいます。 |
●弔電を読み上げる順序を確認しフリガナを打ちます。 |
●その他遺影写真・会葬礼状・会葬例品・霊柩車・タクシー・バスなどの手配については葬儀社の担当者にご相談ください。 |
※通 夜
●喪主は席について、弔問客を迎えます。 |
●僧侶を式場に案内し読経をしてもらいます。 |
●終了後、喪主か親族代表が挨拶します。 |
※葬儀・告別式
●僧侶が式場に入場し葬儀が始まり読経して頂きます。 |
●焼香順序を再確認します。 |
●弔辞・弔電を紹介します。 |
●焼香(喪主・遺族・親族) |
●告別式に移り立札予定者は立札の位置につきます。 |
●会葬者の焼香中は遺族が一人一人に黙礼します。 |
●読経終了後、僧侶が退場します。 |
●喪主か親族代表者が、会葬者に挨拶します。 |
●閉式の辞。 |
●お別れ・斎場に向け出棺となります。 |
※葬儀後に行うこと
●火葬後お骨あげをし、遺骨迎えの祭壇を設置します。 |
●忌中法要・年忌法要 |
死亡日を入れた日数 |
呼び方 |
死亡日を入れた日数 |
呼び方 |
7日目 |
しょなのか
初七日 |
100日目 |
百か日 |
14日目 |
ふたなのか
二七日 |
満1年目 |
一周忌 |
21日目 |
みなのか
三七日 |
満2年目 |
三周忌 |
35日目 |
ごなのか
五七日 |
満6年目 |
七回忌 |
42日目 |
むなのか
六七日 |
満12年目 |
十三回忌 |
49日目 |
七七日忌 |
満16年目 |
十七回忌 |
初めての盆 |
新 盆
(初 盆) |
満22年目 |
二十三回忌 |
※あいさつ回り(式後2日〜3日のうちに)
●ご近所への挨拶(掲示板にお礼の挨拶文を掲載) |
●お世話になった方への挨拶 |
●ご寺院への挨拶 |
●勤務先や上司・関係先への挨拶 |
神式葬儀(葬場祭)
葬場祭は死のけがれを清め故人の霊を慰め、死者を命としてあがめ祖先の神々とともに子孫を見守る守護神として祭る儀式で、式次第は所によって異なり、また簡略化されています。式の途中、故人の略歴、人柄などを述べるのであらかじめ資料を用意しておきます。
※臨終後に行うこと
●神棚および祖霊舎の前面に白紙を貼ります。 |
●ご遺体は北枕(北首仰臥)に寝かせて枕飾りをし、枕直しの儀式を行います。 |
●神式で儀式をつかさどる人を斎主と呼び、斎主と隋である祭員の人数について打ち合わせをします。 |
●斎主と霊璽、銘旗の打ち合わせをし、筆書きを依頼します。 |
●白衣の死装束を着せた後、納棺します。 |
※前夜祭(故人に礼を尽くし奉仕する儀式です)
●斎主をお迎えし、通夜祭の中で式場のあかりを消し、故人の御霊を霊璽に移す遷霊祭を行います。 |
■手水の儀(手水で身を清めてから会場に入ります。)
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●まず、左手を洗います。 |
●次に、右手を洗います。 |
●左手で、口をすすぎます。 |
●最後に、懐紙で手をふきます。 |
※葬場祭(一般的な式次第を作成して行います。)
●玉串奉奠の順序を決め、順位帳に楷書で清書します。 |
●出棺は正式には出棺際の後で行いますが、現在は、葬場祭の中に出棺の祭詞を含める場合が多いようです。 |
●故人との対面が終わると、柩のふたを閉じてふたに銘旗をつけ、柩に注連縄を巻くことがあります。 |
●出棺後、喪家(式場)に止まっている祓主及び修祓係の祭員(神職)が祓除の儀を行います。 |
※葬場祭後に行うこと
●斎場から帰った時、門口で塩、手水の後祭員が祓除の儀を行いそのあと家(式場)に入り、帰家祭を行います。 |
●ご遺骨をすぐに埋葬しない場合は忌明後に埋葬します。 |
●帰幽の日から10日ごとに毎十日祭を行い、五十日祭を機に忌明けすることが多いようです。 |
●五十日祭は墓前で行いますが、参列者数によっては斎場で行うこともあります。最近では合祓祭を併せ行うことが多いようです。 |
●百日祭、一年祭は霊前で行い、とくに一年祭を重視します。 |
●清祓の儀は百日祭、一年祭の翌日に、また清祓の儀の後で、合祓祭を行います。 |
キリスト教式葬儀
キリスト教には大きく分けて、伝統的な儀礼を継承している「カトリック」(ローマ教会)9世紀から11世紀にかけてカトリック教会から分離し、東欧を中心に信仰を集める「ギリシア正教」16世紀にルターらが起こした宗教改革によって成立した「プロテスタント諸派」があります。葬儀を行う際には宗派によって異なりますので、協会の神父・牧師とよく相談してください。
カトリック
カトリックでは、肉体は滅びても霊魂は聖なる人々と共に天に昇り、永遠の命を与えられると考えています。
※臨終から前夜式
●臨終後は死に化粧をし、衣服の着替えを行います。 |
●神父を招き、納棺のことばを載いたのち納棺します。
遺体には故人が生前愛用していた十字架、ロザリオを持たせます。 |
●前夜式…日本独特の習慣で、聖歌の合唱、聖書の朗読、神父の言葉と祈りのあと、献花を行います。 |
※葬儀・告別式
●葬儀の進行は、地域や宗派によって異なりますので、神父様と打ち合わせのうえ行います。 |
※葬儀後の行事
●追悼ミサ…カトリックの法要にあたるのが追悼のミサで死後3日目、7日目、1ヶ月目および1年目の「死者記念のミサ」があります。カトリックでは地域の習慣にあわせて比較的自由に行うため、これ以降は特別な決まりはありません。 |
プロテスタント
プロテスタントでは、死は魂が神に召されることを意味しています。神の恵みに感謝し、神の国での再会を祈ります。
※臨終から前夜式
●臨終後は牧師を招き祈りの後、納棺します。 |
●前夜式…牧師が司式を行い讃美歌や聖書の朗読のほかに故人を偲ぶ「感話」の時間がありその後献花をします。 |
※葬儀・告別式
葬儀の進行は地域や宗派によって異なるため、牧師と打ち合わせの上、行います。 |